2価のユウロピウムEuイオンや3価のセリウムCeイオンは結晶場分裂によって発光色が制御できるため、様々な母体結晶中にEu2+やCe3+を導入した蛍光体を合成しています。またどのような母体結晶中でどのような波長(色)で発光するのかを予測する理論構築に取り組んでいます。

理論的な研究に基づき、望ましい色で発光を示す可能性が高いと思われる組成を絞り出し、溶液プロセスを用いた並列合成法によりそれらのサンプルを合成します。2価のEuイオンや3価のCeイオンを含む蛍光体の合成は、空気中で焼成後、水素などの還元ガス中で焼成します。

還元ガス中での焼成をペレット形成後に行います。還元処理によってEuは3+から2+へ、Ceは4+から3+へと還元されます。254nmと365nmの紫外線を照射し、どのような励起波長で何色で発光するのかを調べます。

このスペクトルはEuをドープしたBa2SiO4の発光スペクトルです。Eu量が少ないときは青緑色で発光し、Eu量の増加につれて緑、黄色、オレンジ色へと発光色が変化します。